SHAZNAとしての活動が止まってしまってから約2年。各メンバーもなんだか動きがよくわからなくなって久しかった。まぁ、まったくなにもなかったわけではないのだけど、自分が直接体験したのは、去年のIZAMちゃんのライブが最後だった。
ところが、夏になってファンクラブ主催の石垣島旅行が決まり、さらに小説発表ということで、急にいろんな動きが出てきた。その中に「抱擁&サイン会」というのがあった。場所は東京。話を知ったときには、もう1か月を切っていた。どうせ石垣島にも行くのだし、今回はパスしようかなぁとも思ったのだけど、なんといっても「抱擁」ですよ。やっぱり、これは行かないと後悔すると思って、行くことに決めた。
当日の朝に、飛行機で東京入り。渋谷に着いたのは10時半ごろ。イベントの開始は14時。まだまだ時間がある。とはいっても、特にほかのファンの人と待ち合わせをしていたわけでもなく、あれこれとファンシー文具を探して歩いていた(たいして発見はなかったけど)。
イベント開始20分ほど前に、会場のブックファーストに向かった。店の外に、いかにもという感じのファンが集まっている。名前はわからなくても、何度となく見たことのある顔が多い。
イベント参加には整理券が必要なのだけど、事前に200枚用意された券はとっくになくなっていた。自分はというと、熊本から券だけ取りに行くわけにもいかないので、栃木のでいじぃさんに分けてもらうことにしていた。実はまだお会いしたことのない人だったのでわかるかどうかちょっと心配だったのだけど、近くに横浜の麻紀さんと富山のRIKAさんがいて、無事に券を手にした。
今回も、全国いろんなところからファンが集まっている。奈良のちひろさん、兵庫のスガぴぃさん、福岡のGONさんなどなど…やっぱり、「抱擁」となると、これだけ人が集まるものだねぇ。
さて、開始時刻が近づいて、参加者は階段に並ぶことになった。200人となるとかなり長い列になる。自分がもらった整理券は106番で、2階と3階の間あたりに並んだ。抱擁&サイン会の場所は「地下1階特設会場」となっているのだけど、どんなところなんだろう。なにしろフロアがずっと下なのでようすがよくわからない。
最初はワイドショーの取材も入っていたようで、なかなか進まないのも無理がないなぁと思っていたのだけど、それにしても、待ち時間が長い。先が見えないからよけいにそう感じるのだろうけど…なんだか暑くて汗が出てくる。やっと動き出したのはいつだったかなぁ。それも、断続的に少しずつ動いていくのでよけい長く感じる。
なんだかんだで、1階まで降りてきたのは15時ごろ。いちどに10人ずつ、会場に入れている。順番が近づいてきて緊張している…かというと、そうでもなかったりする。姿もなにも見えないし。平常心、というわけでもないのだけど、緊張してもいない、なんだかふしぎな感じ。そして、やっと、入場の順番が来た。
階段を降りると、そこにIZAMちゃんが立っていた。階段の踊り場をついたてで区切っただけの「特設会場」。なんだかあっけなく感じた。長く待たされたからということもあるのだろうけど…。いくつか花が飾ってあって、その中には「Shocking Pink Vib♥s」の元スタッフからのものもあった。あの番組が終わって、もう3年たつのにね。妙にイベントスタッフ(というにはなんだか重い)が多くて、「これで抱擁っていうのもなんだかやりにくいなぁ」と思う。
そうこうしているうちに、自分の番がまわってきた。手前に本が積んであって、それを1冊ずつもらってIZAMちゃんの前に出る。おもむろに中表紙を開いて、メタリックピンクのペイントマーカーでサインをはじめた。
早瀬かをる:こんにちは。
IZAM :こんにちは。ようこそいらっしゃいました。
早瀬かをる:あのー、なにを話そうか、まったく考えてきてなくて…
IZAM :うん、別に無理して話すことないですよ。
早瀬かをる:あ、でも、なんだか急にあれこれ決まってうれしいです。来月の石垣島、自分も行きますので。
IZAM :あ、そうなんですか。ぜひ来てくださいね。お待ちしてます。(ここでサインが終わって、「どうぞ」という感じで腕を広げる)
早瀬かをる:えーと、じゃぁ、「ぎゅぅ」って抱きしめますね。
IZAM :ええ、どうぞ。
早瀬かをる:(抱きしめて、ほおずりをしながら)うれしいよぉ。(抱擁が終わって)どうもありがとうございました。
IZAM :ありがとうございました。
こうして、「抱擁&サイン」は終わった。なんだか放心状態だった。あのIZAMちゃんに、ほおずりできたんだよ。どう言ってよいのかよくわからないのだけど、肌と肌で触れ合えて、よかった。もっと時間があったらよかったのに、とも思うけど、でも、これでよかった。飛行機に乗ってきただけのことはあった。
自分の番が終わって店の外に出た。自分がちょうど半分ぐらいの番号だったけど、当日配布の整理券もあったから、少なくとも16時過ぎにならないと終わらないのは確実だった。30分ほど外でほかの人を待ってみたけど、ゆっくりできる場所もなくて、その場を離れた。